兄と私
私は、七歳年上の兄がいます。周りの友達は一人っ子が多いので、皆、「アデェさんは幸せだね。お兄さんがいるなんて。」と言ってくれますが、私はそうは思っていませんでした。小さい頃、兄と一緒に楽しく遊んでいても、一旦喧嘩になると、いつも兄の方が勝ちで、私は泣きながら母の所に行くしかありませんでした。また、私が「僕はどうやってこの世に生まれてきたの。」と父と母に尋ねるたびに、兄が横から口を挟んで「お前は僕がゴミ箱の中から拾った子だよ。」と私をからかいました。そして、馬鹿にされた私は顔を真っ赤にして怒り、もう兄とは一生口もきくものかと布団の中にもぐりました。もちろん、兄は頼りになる時もあります。ある日、私は学校で熱を出して、先生に家まで送ってもらいました。その時、父も母も勤め先にいて家には兄だけしかいませんでした。兄は、タオルで私のおでこを冷やして、薬を飲ませてくれました。その日の午後、兄は学校を休んで私を看病してくれました。兄に初めてそんなに優しくされた私は、「兄にはいいところもあるんだ。」と気付きました。その夜、母が帰ってきた時には、兄のおかげで私の熱は下がり、気分も良くなっていました。しかし、もっと兄のことを好きになった出来事があります。ある日、いたずら好きだった私は、父の部屋からウォークマンを持ち出し、この中は一体どうなっているのか気になって、分解しているうちに壊してしまいました。それに気付いた私は、どうすればいいか分からずに、兄のところへ行って助けを求めました兄は、私をかばって、それは自分が壊したと父に言いました。しかし、壊れたウォークマンの状態があまりにも悲惨だったせいか、父はひどく兄を叱りました。でも兄は、弁解もせずただ黙って我慢していました。私はドアの隙間からそれを見て、怖くなって自分の部屋に逃げ込みました。父の部屋から戻って来た時、兄は普段と同じ顔を見せて、「何時だと思ってるんだ。早く寝ろ。」と言いました。それから、私の兄に対する印象は一変しました。今まで、些細なことからお互いに口をきかないこともあったけれど、私が失敗した時、迷っている時、兄はいつも側にいて、助けてくれました父と母だけではなく、兄も一緒にずっと私を見守っていてくれました。
逆に、私が兄にしてきたことと言えば、りんごを洗う時に兄の分も一緒に洗うぐらいのとても小さい事でした。しかし、これから私も一人前になってもっと兄の力になりたいのです。
今から考えると、兄弟というのはまさしくそのようなものではないでしょうか。兄がいる私は本当に幸せです。時々喧嘩もしますが、これからも本当に困った時には、お互いに助け合っていきたいと思います。
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